忍者ブログ

火山系フリーターの落書き帳

火山学者が書かない秘密の話。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


学会に参加するには(発表するには)

1.はじめに

前の学会発表とは?2016年火山学会秋季大会を例に学部生でも学会に参加していいの?に引き続いて、今回は学会に参加する方法(発表する方法)をご紹介します。

ただ、全ての学会を網羅することはもちろんできないので、ここでは筆者が参加する火山学会を例に挙げます。

2.学会で発表するまで

学会会員になろう

火山学会で発表するには、発表者のうち最低1人は火山学会への所属が必要です。一般に、教員が所属しているはずですが、可能であればあなたも所属しておくと良いです。

火山学会に所属すると、学会誌(火山)を貰うことができます。これは日本語で書かれた論文集で非売品です。

また、各大学の教員募集や案内をメーリングリストで受信できます。将来、その手の道を目指すなら登録しておくのが良いです。

学会に所属するには年会費の支払いが必要です。また、学会員1人の推薦が必要になるので、あなたの教員にサインを頂くのが良いです。

講演要旨を書こう

火山学会は毎年秋に行われています。その秋の大会で発表するには、それより数ヶ月前の7~8月ごろに講演要旨を提出する必要があります。

講演要旨に査読はありませんので、誰でも出すことが出来ます。ですが、特にあなたが

  • はじめての発表である
  • 教員や他の研究者と共著である

場合には、最低でもあなたの教員のチェックを受けたほうが良いです。特に共著の場合には、名前を連ねた人がその発表に大して責任を取ることになりますから、確認が必要です。

講演要旨が完成したら、学会に発表申し込みを行います。火山学会はウェブからの申し込みで、講演要旨は別途メールで送付します。

移動手段・宿を確保しよう

交通手段や宿泊施設は原則自分で確保します。あまりに遠距離で交通費が出ない場合には発表を見送るのも1つの手段です。

学会発表とは?2016年火山学会秋季大会を例にでも触れたように、地質系の学会は田舎で開催されることも多いです。もともと宿が無い場所で開催されると悲惨です。

発表準備をしよう

手を抜くと、学部生でも学会に参加していいの?の最後の話みたいなことになります。

3.学会で発表しよう

ポスターの時は単にポスターセッションで貼り付けるだけなので、口頭で発表する場合の注意点を。

時間があるタイミングで、会場の機器で自身のPCをスクリーンに映せることを確認します。また、周辺をチェックし、何か障害になりそうなこと(足元にケーブル張ってたり)が無いかも確認します。

ついでにマイクや差し棒(レーザーポインタ)などの有無も確認しておくのが良いです。

当日、昼間の時間は発表が行われているため、特に映像出力チェックはできません。お昼ごはんや発表が始まる前、もしくは全てが終わった後(発表前の日)に少し確認しておくことをオススメします。

関連記事

PR

学部生でも学会に参加していいの?

1.はじめに

前の学会発表とは?2016年火山学会秋季大会を例にに関連して、「学部生でも学会にして良いか」という話をご紹介します。

もちろん、ルールや規約的なものは無いので、あなた自身が判断して決めることが出来ます。

2.見学者として参加しても良い?

もちろん参加して良いです。

学部生の段階では、大した研究成果を持っていないことも多いので、初めて学会の集まりに参加するときは、人の発表を聞くだけの見学者として参加することが多いはずです。

あなたが研究熱心でその分野に興味があったり、研究室の教員から参加を勧められたりしたならば、気軽に参加してみると良いです。

学会に行ったからと、怖い先生に捕まることも無いですし、無理やり何かを発表させられることもありません。こっそりオーラルやポスターのセッションを見て、こっそり帰れば良いだけです。

懇親会のような集まりにも顔を出す必要はありません(特にあなたが内向的ならば)。

外から見ると、「学会って何やってるの?」といったイメージですが、中身はそんなガチガチな場所ではないので、ほんと気軽に顔出してみてください。

ちなみに筆者が始めて学会に参加したのはたぶん院生1年目のJPGUかな。

3.発表者として参加しても良い?

もちろん参加して良いです。

筆者が参加した火山学会でも、学部生ながら発表している人もいましたし、中には院生顔負けの発表をする人もいました。

そんな時に自分が「やらかす」と苦笑いなんですけどね。

意識高い人(将来研究者になりたい人)は学部時代から積極的に発表をしたり、他の研究者との関係構築を目指す人も多いようです。中には名刺作って配ってる人もいます。

ただ、筆者は別にそこまでやる必要は無いと思っています。結局実績があればあとからいろいろ付いてくるので、如何にインパクトある発表を目指すほうが重要だと思います。

4.学会に行くと得られるもの

ここでは2つ挙げます。

  • 研究のモチベーションが上がる
  • 人に説明する能力が上がる

一つは研究のモチベーションです。

同じような研究をしている人達と話していると、新しいアイディアを思い浮かんだり、競争心が芽生えたりします。

学会の帰りはいつも意欲が高いです(ただ、この意欲の半減期は早い)。

また、口頭にせよポスターにせよ、人にプレゼンテーションをするということは、あなたの研究の魅力や言いたいところを分かってもらうことです。これは、他者に対する「営業行為」で、就職活動や就職後に必ず役立ちます。

なかなか緊張はしますが、「どうやったら分かってもらえるだろう?」と考えると面白いです。

いけばわかりますが、(特に口頭は)おっさんでも緊張している人もいるので、その点はあまり心配しなくても大丈夫です。

5.個人的にやらかした失敗談

こんな話にご注意。

  • 発表時間超過は朝飯前
  • 前日遊びすぎて発表内容全部忘れる
  • 口頭発表時、プロジェクターに画面を映せずに焦る

基本、丁寧な発表練習と、機器の準備をしっかり行っていれば回避できる問題ですね。

5.関連記事


学会発表とは?2016年火山学会秋季大会を例に

1.はじめに

2016年の火山学会秋季大会に予稿を提出しました。学会発表なんてひさびさなんですが、生きて帰れるのでしょうか。

2.学会発表って?

どこの学会もそうだと思いますが、年に1回かそれ以上、全国から研究者らが集まり、研究発表会みたいなことをやります。

この研究発表会では

  • 指定時間で口頭で発表するオーラルセッション
  • ポスターを作成して展示するポスターセッション

があります。

オーラルセッションとは?

オーラルセッションは、例えば15分といった限られた時間内でプレゼンテーションを行います。ここではMicrosoftのPowerPointを使って発表資料を作成し、それをプロジェクターで映しながら話を進めます。

質問時間もその中に含まれているため、発表慣れしないうちは結構大変です。どじって発表時間オーバーなんてよくある失敗談です。

筆者のことです。

ポスターセッションとは?

ポスターセッションではコアタイムと呼ばれる掲示時間が設定されており、その中でわいわいがやがやとやります。こちらは時間制限がない分だけ深い議論になりやすいのですが、一方でしゃべりなれてないと喉がやられます。

筆者のことです。

以上のようなことをやって研究内容の共有や発展を目指します。

学術論文と何が違うの?

論文掲載までの流れってどうなってるの?で触れた論文と異なり、学会発表では発表内容に関する査読はありません。ちょっと突拍子のないような内容でも発表することは可能です。

その代わり、学会発表(特に国内の)はそもそも自身の研究業績としての効果は弱いです。やはり箔がつくのはAGUのような国際学会だったり、英文雑誌への論文投稿です。

ただ、特に研究を始めたばかりの学部生や院生がそれらをめざすのはハードルが高いため、最初は学会発表から挑戦することも多いです。

3.宿が無い!

ところで、火山学会の秋季大会はそのテーマ柄、火山のふもとの町で開催されやすいのですが、それ故に交通の便が不便な場所も選定されやすい傾向にあります。

また、火山学会は時期的に紅葉の季節とも重なりやすいために、宿が無いというオチがつきやすいです。

まあ、まだ探していないんですがね。

今年も結構そういった状況らしく、メールマガジンで宿が云々みたいなメールが頻繁にくるほど。

どうするんですかね汗

2016年の火山学会は、山梨県富士吉田市という富士山の裾野です。最悪、甲府から行けば良いと思ってるんですが、甲府自体も観光シーズンなはずですし、ちょっと難儀しそうです。。。

4.もし学会に参加するなら

火山学会はちょっと移動が大変なことも多いので、春の幕張などで行われるJPGU(日本地球惑星科学連合大会)がアクセスがよくてオススメです。

高校生や大学学部生以下は入場無料だった気がします。

5.関連記事


マグマの温度を推定する方法

1.はじめに

マグマだまりのイメージ。ご飯を食べながら感じてしまった話で、マグマだまりがおかゆ状である話にふれたので、こちらではマグマだまりの温度について触れてみたいと思います。

2.マグマはめっちゃ熱い!

マグマはめちゃくちゃ熱いです。その組成などにもよりますが、800〜1200度程度になることが多いようです。例えば、地下から上昇してきた、かんらん石を含むような未分化なマグマは1200度近い温度です。一方、マグマが分化して、石英などを含むようになるころには800度程度まで下がってきます。

マグマはめちゃくちゃ熱いのです。

3.マグマの温度はどうやって推定する?

地表に出てきたマグマ(溶岩)の温度は、そりゃ物理的に測れば良いのですが、例えば地下深部に蓄えられているマグマの温度を物理的に計測するのは困難です。そこで、そのマグマだまりに含まれている斑晶の化学組成を利用します。

その代表的なものが、輝石温度計です。輝石温度計は斜方輝石と単斜輝石という、2種類の輝石の組成が平衡である場合に、その平衡が成立する温度が何度か、という考え方で算出します。両者が平衡かどうかを考えるのがまた難しいものの、この方法で温度を求めようとする考え方は古くからたくさんあります(例えばLindsley 1983の台形温度計)。

輝石温度計で温度を推定している例も多数あり、例えば宮城・山形県境の蔵王山の新しい時代のマグマだまりは輝石温度計で950〜1000度程度と推定されています。日本のよくある安山岩質火山のなかでは、比較的熱めのマグマだまりのようです。

4.おしまい

余談ですが、ここであげた輝石温度計も、様々な種類があるので、利用する温度計によって温度差が出る場合があります。一つの温度計で出た結果を盲目的に信じるのは良くないのかもしれません。

海外のどこだったかのサイトに、多様な温度計の比較ができるエクセルシートがあったと思ったのですが・・・どこにあったか忘れてしまいました。機会があれば紹介できればと思います。

関連記事


マグマだまりのイメージ。ご飯を食べながら感じてしまった話

1.はじめに

一般に、火山下数Kmかそれより深いところにはマグマが溜まっている部分、いわゆるマグマだまりがあると言われています。

地震波など、物理的な探査でしかその実体を見ることはできなのですが、マグマが貯留されているのは事実のようです。

このマグマだまりの話について紹介。

2.マグマだまりのイメージ

マグマというと、キラウェアのさらさら流れる溶岩のイメージがあるせいか、マグマだまりの中も水のような流動性の高い流体が満たしていると想像されがちです。

・・・ってそう思うのは筆者だけ?

しかし、例えば日本のような典型的な安山岩質火山下においては、おそらくそのイメージから違うものが存在していると考えられます。

なぜなら、マグマだまり内のマグマを構成するものは流動性のある溶岩(噴出後に石基になる部分)と、個体の斑晶の混合物だからです。

論文があった気がしますが、流動性のある溶岩にある一定量の斑晶が含まれると、その混合物はおかゆ状、もしくはマッシュポテトのような半固体状になると考えられています。日本の安山岩質火山は20〜30vol%以上の斑晶を含むことが多いので、それだけでも結構流動性は失われているはずです。

つまり地下にはそんな固体みたいなものが大量にとどまっているのがマグマだまり、というわけです。

3.マグマの混合

おかゆのようなマグマだまりは、粘性が高く、流動性が低くなるために、それをたまりから地上に追い出す(噴火する)ためにもなんらかのエネルギーが必要になってきます。様々な要因はあるでしょうが、よく言われる噴火要因の一つは、マグマ混合です。

マグマだまりの地下からは、さらに異なる特徴を持つマグマが上昇してくることで、マグマだまり内の圧力が高まるなどの変化が生じます。それが、岩盤を破壊するほどの圧力に達した時にマグマが噴出してくる、というものです。

おかゆの中に練り梅どぼどぼ投入したら、いずれ茶碗の中身の量が増えて、やがて茶碗から溢れる、といったイメージでしょうか。

この時、両マグマの成分が異なると、簡単には混合しないのもミソです。つまりおかゆの中に練り梅を投入しても、おかゆと練り梅はまざらないようなものです。

このあたりの混合の話はいろいろあって、まだ筆者も勉強中なので詳細は省きます。

4.おしまい

少なくともここで言いたかったのは、今日のご飯がおかゆと練り梅だったというお話・・・ではなく、ある程度の斑晶を含むマグマだまりはおかゆ状であるということと、それを噴火させるための原因の一つはマグマ混合だ、というお話です。

また、混合してくるマグマとされるマグマの成分が異なると、おかゆと練り梅のようにすぐには混ざらない、というお話でした。

関連記事