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火山系フリーターの落書き帳

火山学者が書かない秘密の話。

地震後に火山の噴火が発生するのはなぜか

1.はじめに

火山と地震の話。

大規模な地震が発生すると、その周辺に存在する火山が噴火するのではないか、と懸念されることがあります。 例えば、東北地方太平洋沖地震の後には、東北地方の火山や富士山が噴火するのではないか、と不安視されていました。

今回の熊本地震では、その断層の延長上にある阿蘇山の活動が懸念されています。

大地震のあとに火山が噴火することは、歴史的にも世界的によくある話です。 以下では、その理由について紹介したいと思います。

2.なぜ地震後に火山の噴火が発生するのか

これは地下の岩盤にかかる力が変化するからです。

ごく普通の火山の地下数kmのところには、マグマだまりと呼ばれるマグマの貯蔵庫が存在します。 このマグマだまりには、一定の割合で水分を中心とする揮発性成分が含まれています。

火山の噴火はこのマグマだまりにかかる圧力よりも、マグマの圧力が高まった場合に、地上への岩盤が破壊されて、地上に噴出してきます。 特に大量に揮発性成分を含んでいると、マグマに溶けていたガスが一気に気体になるために、爆発的な噴火に繋がることが多いです。

ただ、日本の火山の大半は、通常は周囲の岩盤の圧力に対して、マグマがマグマだまりから外へ出ようとする圧力は低い状態で保たれているようです。 そのため、通常時は噴火しません。

これが、大地震が起こると話が変わります。

地震は、岩盤にかかる圧力に岩盤が耐え切れなくなった時に、一気にエネルギーが解放される現象です。 岩盤が瞬時に動きますので、それによって岩盤にかかる力関係も一瞬で変わってしまいます。

例えば、通常の東北地方は、太平洋プレートが沈み込みことで東西に圧縮される力がかかっています。 しかし、2011年の東北地方太平洋沖地震の際には、東北地方沖のプレート間のひずみが解放されために、特に東北地方の太平洋側は数mも海側に引っ張られました。

それまで圧縮の力がかかっていた岩盤に伸張の力がかかるようになったのです。 それまで強く押さえつけられていたマグマだまりとその周辺は、その押さえつける力が弱くなったのです。

吾妻山や蔵王山の活動が観測されたのは、地震から数年後の話です。

3.有名な地震後の火山活動の例

大地震とその後の火山活動の関係は、2004年に発生したスマトラ沖地震と、その後の火山活動の関係が有名です。 例えばシナブン火山やメラピ火山の活動は、スマトラ沖地震が誘発したものかもしれません。

日本では、東南海地震・南海地震が連動した1707年の宝永地震と、その49日後に発生した富士山の噴火は地震との関連性を疑わせます。

また、9世紀頃にも火山活動が活発化した時期があり、その前後には東北地方太平洋沖地震と同じ震源域で貞観地震が発生しています。

これらはいずれもプレート間の地震なので、熊本地震のように断層を震源とする直下型地震とは直接対比は出来ませんが原理は同じです。ゆえに、そこに考えが達するのはごく自然なことだと思います。

4.おしまい

いずれにせよ注意するに越したことはありません。 そういう事実があるということは知っておくべきですし、適切に警告を発するのが火山学者の役目であると筆者は考えます。

まずは、頻発する余震の発生が落ち着くのを願う限りです。

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