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火山系フリーターの落書き帳

火山学者が書かない秘密の話。

火山学者になる方法

1.はじめに

火山学者になる方法を紹介するのも、一種の社会貢献になると思ったので書きます。 具体的に紹介された例は火山学者に聞いてみよう -トピック編-ぐらいしかないので、情報は多いほうがいいよね。

地質学の話は地質学者になるにはに。

2.火山学者になるには

1.高校まで

あなたが火山学者になりたいと考えるなら、火山や地震などの地学的な現象に興味を抱いていると思いますので、高校時代まではそれを調べるのが良いと思います。 例えば、図鑑や書籍を購入したり、博物館や大学が主催する地学教室に参加するなどです。

世界の綺麗な火山を写真で紹介する書籍もあります。

残念ながら、義務教育で地学を学ぶ機会は少なくなっています。 情報は自分で探すしかないのが現状です。

なお、英語の勉強をしておくと、将来苦労しないです。 国際学会や海外の論文など、研究成果発表の場も英語が公用語だからです。

2.火山学の何を学ぶ?

そもそも、火山学者と言っても、その専門は多岐にわたります。

例えば、火山性地震や山体の変化を観測し、将来の噴火を予測する学問を火山物理学と言います。 一方、噴出したマグマの特徴を調べ、火山地下のマグマの状態を推測する学問は火山岩石学です。

他にも、山を歩く火山地質学や、火山ガスを採取するような研究もあります。

一人の学者がこれらを横断的に研究している場合もありますが、多くは何か専門的な分野を持っていて、その分野のスペシャリストになっていることが多いです。

火山系の学問を扱う大学に入り、教員から指導を受ける場合、その教員の専門分野によって研究の方向も変わってきます。 例えば、山歩きはしたくないが、山歩き専門の先生についてしまうと結構苦痛です。

3.就職について

学者を目指す場合には、博士号取得は必須です。 頑張って博士を目指してください。

博士号を取得するためには、大学生4年間、修士課程2年間、博士課程3年間の計9年間の勉強が必要です。 多くの友達は大学生か修士を終えて就職していきますので、一人で博士課程というのも寂しいものです。

また、博士を取得するためには、名高い雑誌に論文が掲載されることが条件になる場合もあります。論文の話は、論文掲載までの流れってどうなってるの?をご覧ください。

なお、博士課程を諦めて、大学生や修士課程から専門を生かして就職する場合、地質コンサルタントへの就職が多くなります。 特に山を歩けるタフな人材が求められることが多いように思います。

化学測定の経験もあれば、分析系の企業へ就職することも可能です。 地質コンサルも分析系の企業も母数はさほど多くないので、一般企業への就職も視野に入れて良いと思います。

大卒、修士卒ぐらいまでならどの分野にでも就職していけますので、安心してください。 博士号取ってから一般企業への就職ももちろん可能です。 ですが、「同期も上司も年下」なんてざらにありますから、「俺は博士様だ」感を出してしまうと、高確率で仲間はずれにされます。

4.学者・研究者への道

火山学者・研究者を目指す場合、博士号取得後もどこかの研究機関に籍を置いて、研究活動をし、成果をあげていく必要があります。

まだ、仕事の仕組みが良くわからないかもしれないので、知らない言葉はご両親さんに聞いてみてください。

20、30代の若い研究者は、数年単位で雇用契約が切れてしまう「任期付」雇用になることが多いです。 数年単位で「居場所」がなくなるため、常に次の「居場所」を探さなければいけません。 どれだけ早いうちに研究業績を増やして、雇用期限の無い常勤での雇用先を見つけられるかにかかっています。

他の学問同様に、火山学も博士号取得までは門戸が開かれていますが、その後の道はほとんど用意されていないのです。 そのため、研究者を目指す多くの人は、安定した生活や結婚など、将来を考えて諦めていきます。

人生の全てを研究に投じるような「マッドサイエンティスト」だけが残る世界かもしれません。

一方、この雇用の問題を踏まえてか、博士課程まで進学するような学生が減ったように思えます。 というのも、筆者が学会でお会いする顔ぶれは、すでに常勤職を得ている40代以上の研究者と、20代の大学生・修士生ばかり。 博士課程や30代の若い研究者にはほとんど会わないのです。

2016年に発行された雑誌「火山」の第61巻第1号において、いくつかの研究者が火山学者の不足を指摘しています。

2014年の御嶽山噴火以降、国内では火山噴火が相次ぎ、新聞や雑誌・テレビなどで取り上げられる機会が増えている。しばらくの間は、噴火対応に関する研究の必要性が社会で取り上げられ、火山観測の増強や人材の要請が主張されるだろう。しかし、そのうち忘れ去られ、次の大規模噴火発生時まで再び注目されることの少ない隙間の学問に戻るに違いない。 日本の火山防災体制の現状と課題:石峰康浩氏
専門性を生かす就職先の減少や奨学金制度の不備などのために大学院進学者が減少し、人材が枯渇しつつある現状は大問題である。 わが国における火山噴火予知の現状と課題:藤井敏嗣氏

いずれ若手研究者が不足し、大量に募集がかかる時期が増えてくるように思います。 あなたが現在高校生か大学生で、これから火山学者を目指すなら、今は実はチャンスなのかもしれません。

続きは火山学者になる方法その2。火山学者ってどんな仕事してるの?を。

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