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火山系フリーターの落書き帳

火山学者が書かない秘密の話。

研究者の平等と格差の話。あなたが競争を嫌うなら研究者には向かない

1.はじめに

火山学者になる方法として、過去に2つ記事を書きました。

今回は「18歳選挙権 世論調査の結果は」というNHKの調査結果を見て、ちょっと競争やお金の話に触れたいなと思ったのです。

18歳選挙権 世論調査の結果は | NHK

最近の18歳は、日本の経済格差縮小を願い、そのために競争の自由が阻害されても構わないと考える方が多いそうです。 あなたはどうでしょうか?

基本的に、火山学者を含む、研究者になることは、競争社会を勝ち抜いていくことが前提になります。 あなたが競争を嫌い、皆が平等であるべきと思うならば、その性格はたぶん研究者には向いていないと思います。

以下、あなたがまだ高校生か大学生なら、以降の話は実感がなく、少し難しいかもしれません。

2.研究活動に競争が必要な理由

研究者が競争をする理由は、良いポジションに就きたいという理由もあるでしょうが、研究資金を獲得するためには業績が必要だからです。 研究には大金が必要ですが、そのお金を出してくれるところは限られています。

資金がなければ、研究そのものができません。

研究者は、結果が全てです。 結果があれば賞賛されますし、結果がなければ、たとえ途中でかなりの努力をしていたとしても、そのプロセスは認めてもらえません。

あなたが、結果のいかんを問わず、途中の頑張りを評価して欲しいと考えているなら、その性格は学者には適していません。 研究者の頑張りは、論文の本数や内容、そしてそれがどの程度世界の研究にインパクトを与えたか(どの程度引用されたか)が全てです。

周囲どう評価されるかを気にする人よりも、自分のやりたいことを突き詰めた「変人」のほうが上手く行くのはそのためです。 実際、研究者と「オタク」は紙一重だったりしますから。

ただオタク的人間は、後進の教育に難があることも多いので、そこは難しいところですけどね。

3.火山学者の所得について

雇われる研究機関の給与体系などに依存しますが、基本的に研究者、特に教授と呼ばれる立場ならば、かなり良い給与を貰うことができます。 おそらく日本の所得の中では比較的上位に行くでしょう。

ただし、それは競争を勝ち抜いた人だけの話です。

火山学の研究を志す、全ての人が教授や第一線の研究者になれるとは限りません。 競争社会に敗れてしまえば、それよりも下のポジションで、道半ばに研究の世界を去ることになります。

残念ながら、教授や第一線の研究者になれなかった人(特に若い研究者)の給与体系は劣悪です。 生活していけないような水準になることも多いです。

加えて、別業界への転職となれば、それまでの経歴が邪魔になり、上手く就職できない可能性も出てきます。 そうなると、いわゆる非正規雇用といった職に甘んじることさえ出てきます。

研究者は、成功すれば金銭的に豊かになれますが、そこにたどり着けなければ格差社会の真ん中より下をうろうろする可能性があることも忘れないでください。

まあ、基本的にどんな仕事も似たようなものだと思いますけどね。

4.研究者の副業に関する問題

さて、所得が少なければ努力して結果を出すなりして、お金を得れば良いだけの話です。 教授や第一線の研究者になるまでは、そもそも自分の生活費を得るための努力が欠かせないと思います。

近年はサラリーマンなどであれば、個人間取引のように、さまざま稼ぐ方法が出てきました。 いわゆる「副業」と呼ばれるようなものです。

ただ、ここにも問題があります。 日本の大学組織などでは副業規制が敷かれていることも多いのです。

副業規制とは、例えば「火山学の研究者として採用されたなら、その仕事だけをしなさい」というものです。 例えば、個人輸入や代行サービスのような、研究とは関係のない仕事は、その収入の程度によらず禁止されているのです。

表向きには、研究機関としての独立性を保つため、なんていわれていますが、 裏向きには組織への忠誠心を高める、つまり人材の離反を防ぐような意味合いもあると思います。

これからパイが縮小していく日本社会において、多方面に活躍できる人材は大変貴重です。ですが、 現在の研究機関はそのような人間を冷遇する仕組みになっているように筆者は思います。

残念ながら、研究活動にはお金が必要なので、現在は研究者になりたければ、大学か研究機関に身をおかねばなりません。 もし、個人が自宅や小規模な事務所を構えて、そこで研究が出来るようになったら、現在の日本の研究体系を根底からひっくり返せるかもしれませんね。

既得権益をぶっ壊すことを掲げて、研究の世界に身をおくのも楽しいと個人的に思います。

5.おしまい

繰り返しになりますが、研究者を目指すためには、他の研究者に負けない競争が必要です。 より優れた研究成果を発表することが、自分自身の将来の成功に繋がります。

だが一方で、どのような研究活動をするべきかは、誰も教えてくれないのが研究の世界です。 この世界を渡り歩く為には、良くも悪くも信念が必要です。

成功すれば金銭的な成功も約束されますが、成功できなければ収入の少ない状態が長期にわたって続くかもしれません。

なお、上記は火山学や地質学など、いわゆる地学を前提に話を考えてきましたが、工学系や医学系などは異なるはずです。 そちらは企業からのお誘いもあると思いますから、地学の世界で研究をするよりは、もう少し緩いと思います。

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